MAGAZINE当矢通信

プリプレス

早わかり!「製版」

早わかり!「製版」

一般的な印刷方式であるオフセット印刷では、印刷物が完成するまでに様々な工程があります。
今回はその中で最も内容が分かりづらいと言われる「製版」について解説したいと思います。

印刷工程における製版

製版とは印刷に必要な版を作るための工程を指します。現在の印刷のプロセスは「プリプレス」「プレス」「ポストプレス」に区分できます。このうち製版はプリプレスに含まれます。

印刷アイテムの企画や編集、デザイン、そして後述のDTP(DeskTop Publishing)やフィルム製版までがプリプレス工程です。そして刷版から印刷までがプレス工程となります。製本や加工、仕分け封入などの後工程がポストプレスです。
製版はプリプレスにおける最終工程で、文字の差し替えや画像の調整を行うことのできる最後の段階です。よってこの工程で不備がないかどうか?しっかりとチェックを行う必要があります。

参考:一般社団法人 日本印刷産業連合会 

製版と刷版の違い

製版が印刷の前工程であるとご説明いたしましたが、製版はよく「刷版(さっぱん)」と混同されがちです。刷版とは大きなハンコのような印刷用の版であると同時に、それを作る工程を指します。

刷版を大きなハンコと捉えた場合、製版はハンコの原盤づくりと言えます。この原盤を作る工程はコンピューターの発展により大きく様変わりしました。パソコンを使ったDTPは従来の印刷方法に革命をもたらしたのです。

アナログ製版とデジタル製版

アナログ製版

今でこそMacintoshなどのコンピューターを使ってデザインすることが当たり前となっていますが、DTPが世の中に広まる以前、印刷物のデザインや組版作業は「版下(はんした)」と呼ばれる台紙にトンボや罫線を引き、図版や写植文字などを手作業で切り貼りして行われていました。
こうして完成した版下を専用のカメラで撮影し、刷版用のフィルムを仕上げるまでの工程を「製版」と呼んでいました。後述のデジタル製版が普及してからフィルム製版は「アナログ製版」とも言われるようになりました。

デジタル製版

DTPが普及してからはデザイン作業と製版作業をパソコンで同時に行えるようになりました。
アナログ製版の場合、たとえば製版後に文字の誤りが見つかると、版下でのレイアウト作業をやり直し、再び製版作業を行わなければなりませんでした。DTPでは画面上で文字の修正を行い、その修正データ(フィニッシュデータ)で刷版工程に向かうことが可能となりました。

デジタル製版の主な作業内容

アナログ製版からデジタル製版へと移行したことで、たしかに手間数は減りましたが、デジタル製版ならではの高い技術力が求められるようになりました。具体的な内容としては写真の色調補正や切り抜き・合成などを行う画像処理、印刷に向けて冊子のページを並びかえる面付け、文字や色調再現を事前にチェックする校正、入稿データの修正作業などがあります。これらの作業を迅速かつ正確に処理することができて初めてデジタル製版のメリットを生み出せると言えるでしょう。

当矢印刷の製版部門

高品質な印刷物を製造するためにはプリプレス工程が非常に重要となります。当矢印刷の製版部ではデジタル製版における作業工程のすべてをカバー。柔軟かつ質の高いサービスを提供しております。入稿データの修正や校正はもとより、商品やタレントの写真などイメージを決定づけてしまう要素の色調補正力は大手クライアント様から高い評価をいただいております。
また様々な印刷加工を行える当社のインラインフィニッシュを最大限に活かすための仕様設計についても承っております。輪転機による抜きや貼り加工など、ワンラインによる特殊工程ならではのデータ制作に関して多くの実績がございます。

関連記事

ずばり!印刷の方式を大きく2つに分類!